シン・ゴジラ
庵野監督はヱヴァンゲリヲン新劇場版の続きを創らないで何をやっていたのか?
そう、実写版ヱヴァンゲリヲンを創っていたのです。
生命体でありながら意志を感じさせない無機質で硬質な感じをもつ本作のゴジラは、明らかに使徒である。そして本作の人類は、ヱヴァンゲリヲン抜きで使徒と戦わなければならないのです。
迎え撃つ主人公たち。彼らのキャラクターは劇中ほとんど描かれることはありません。それはもはや個人ではなく、役職であり、組織であり、政府であり、国家である。意思を持たない災厄のようなゴジラと個人を超えた国家としての日本の戦い。マクロ怪獣映画とでもいった本作の視点はとてもよかったと思います。
以前の庵野監督だったら、多分東京に核ミサイルを落としたでしょう。そしてその廃墟の中で再び動き出すゴジラの絵で映画は終わったかもしれません。そうならなかったのは、劇場版のヱヴァンゲリヲンがテレビ版とことなる展開をしていることと根っこは同じなのかもしれません。
庵野監督にここまで虎の子ゴジラを委ねた東宝も偉いし、ゴジラの看板に媚びることなく自らの作家性で答えた庵野監督も素晴らしかった。それぞれの思い切りの良さが、本作の成功につながったのでしょう。
26/2106
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