ズートピア
『願えばかなう』わけじゃない。
ディズニー映画でありながら、この映画はディズニーの金看板を全否定するところから始まります。
誰もが予想するように新米警察官であるウサギのサクセスストーリーではあるのですが、一本の刑事ものの映画、それも相性の悪い者同士が組んで捜査をするうちに友情を育むというバディ(相棒)ものとしての面白さがふんだんに盛り込まれています。
そして差別の問題。そこからさらにもう一歩踏み込んで『恐怖』の問題へ。
恐怖の世紀に生きる私たちは、どのように恐怖と戦っていくべきなのか。そんな最先端の、そしてとてもデリケートな問題を、人間が一切登場しない動物たちの映画の中で私たちに語りかけてきます。
数年前にディズニーがピクサーを買収したとき「自分たちより遥かに優れたスタジオを買収してこれからのディズニーはアニメをどうするつもりなんだろう」と思いました。そしてしばらくの間は、やはりディズニーアニメとピクサーアニメの品質には明らかな差があったと思います。
そしてついに追いついたのだと思います。
強力なライバルから逃げることなく、ついにピクサー同様にアニメの枠を超えた傑作を創りだしたのです。
娯楽性もメッセージ性も、笑いも涙も、全てが高品質。
今年を代表する一本になることは間違いない映画だと思います。
18/2016
#753
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コメント
こんにちは。
これは面白かったですね。
観る前にはもっと軽い作品かと思っていたのですが、重いテーマがあって驚きました。
序盤の子供時代のキツネによる傷には恐ろしいものを感じましたが、差別問題もうまく消化されていて楽しめました。(^^)
トラックバックさせて頂きました。
投稿: 白くじら | 2016/07/06 16:02
ごぶさたしています。お元気ですか。
よい映画でしたよ、本当に。
いまの社会情勢を考えると怖いくらいのテーマなんですが、動物をキャラクターにすることで救われていると思いました。
上手いですよねぇ。
投稿: Starless | 2016/07/16 20:23