ルーム
拉致監禁の顛末は予告編で描かれている通り。あっけないほどそのままに事件は終わる。
そしてこの映画の本題は、事件が終わったところから始まるのである。
被害者であり、加害者の子どもの母である。加害者の子であり、被害者の子である。そのような複雑な母子を周囲はどう見るのか。そもそも自分たちがそれをどう認識するのか。問題はとてつもなく大きくて深い。
それはとても簡単に乗り越えられるものでも、埋めてしまえるものでもない。だからこの映画は、とくに明快な解決が無く終わる。ドラマとしては盛り上がりに欠けるかもしれないが、それがリアルでもあり、また安易な解決に逃げないところを逆に評価すべきなのかもしれない。
ただ唯一の救いだったのは、劇中の医師が述べるように「子どもはプラスチックのように柔らか」だったことだろう。
10/2016
#745
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