ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
たぶん『ボーン・アイデンティティー』のヒットあたりから始まったのではないとか思うのですが、21世紀のスパイ映画はとてもシリアスになりました。
この『ミッション・インポッシブル』シリーズも、『3』においてその路線に舵を切りました。イーサン・ハントは一人の人間として描かれました。しかし前作『ゴースト・プロトコル』で、このシリーズは賢明にも元の『スパイ大作戦』の路線に戻してきました。シリアスさよりもユーモアを。重厚さよりも軽快さを。20世紀のスパイ映画が持っていたそんな魅力をこのシリーズは取り戻したのです。
そして本作も、前作からの路線を強く継承しています。騙し騙され、罠にはまり罠にかける。スパイ同士のスリリングな応酬が息つく暇もなく連続する。決して新しくはない、ある意味レトロな路線ではありますが、やはりこういう映画は無くなって欲しくはありません。そしてそんなこのシリーズをプロデューサー兼主演として引っ張っているのが、あのトム・クルーズだというところにとても重要な意味があります。
客を呼べる俳優、資本を集められるスーパー・スターが手掛けることで、この映画は懐古趣味というには規模の大きな映画となり、世界中で多くの観客が集まり、そして次に繋がっていくことができます。成功し続けることでシリーズは継続され、わたしたちはいつまでもこういうスパイ映画を楽しむことができるのです。
昔ながらのスパイ映画ファンは、これからもしばらくはトム・クルーズに足を向けて寝られません。
51/2015
#723
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