Dearダニー 君へのうた
久しぶりのアル・パチーノ、初のミュージシャン役だとか。
昔のような端正な佇まいはありませんが、それでもアル・パチーノの存在感は圧倒的です。彼が映画の全てを支配する、ほぼ独演会とでもいえるような序盤の滑り出しです。
しかし物語が進んでくると、アネット・ベニングをはじめとした脇役たちの存在感がぐんぐん増してくるのがこの映画の面白いところです。自分のことしか頭になかった主人公のダニーの人生の中に、少しずつ周囲の人々の存在が意味を持ち始めてくる。そんな物語の展開と歩調を合わせるかのように、映画の中でも周囲の脇役たちが輝きを増してくるわけです。このあたりのさじ加減が、とても素晴らしく思えました。
これも直前に観た『ヴィンセントが教えてくれたこと』同様に『気づき』の映画です。主人公は一体なにに気づいたのでしょうか。わたしたちは一体なにに『気づく』べきなのでしょうか。そんなことをぽつりぽつりと考えながら、ゆっくり楽しめるとてもよい映画でした。
53/2015
#725
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