予告犯
誤解を恐れずにいえば、この映画の核となる部分は予告犯と警察の戦いではなく、過酷な状況で育まれた主人公たちの友情である。
それゆえに、紅一点の戸田恵梨香が奮闘しているのに申し訳ないけれども、印象に残るのはどうしても回想シーンであり、またそういった意味では、中村義洋監督の起用は大成功である。
虐待、殺人、放火。
悲惨な出来事が続くにもかかわらず、焼け崩れる産業廃棄物施設のはっとするほどの美しさ。このセンチメンタルさこそ、中村監督の持ち味であり、それがこの映画の基調として全体の印象を決定している。
ストーリー的には穴もある。
根本的なところでいえば、なぜゲイツだけが命を投げ出す必要があったのか?
彼らの友情が印象深ければ深いだけ、このあたりの説明不足による不自然さはかなり深刻である。
それでも、そんな欠点を加味したとしても、よい青春映画だということには間違いない。
36/2015
#705
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