シンデレラ
『なぜ今さらシンデレラ。それも実写で?』
誰もがそう思う企画です。
しかし『シンデレラ』はディズニーの象徴ともいえるコンテンツ。それをあえて実写映画というからには、あのディズニーが下手を打つわけがありません。誰もが知るあの物語ながらも、予想の一歩上をいくビジュアルとドラマ性で観る者を圧倒する。今向うところ敵なしのディズニー、渾身の自信作といえるでしょう。
まず意地悪な継母役にケイト・ブランシェットという時点で超本気を感じますが、シンデレラを助ける妖精フェアリー・ゴッドマザー役がヘレナ・ボナム=カーターというのも凄すぎます。シンデレラの運命を左右したこの二人に大物女優を配したのは、本作があくまでも人間ドラマに重きを置いた証拠だといえます。
シンデレラたち主役級だけではなく様々な脇役たちまで、それぞれの登場人物の心情を丁寧に積み上げているために、おなじみのストーリーですが随所に感動があります。それぞれの立場による、それぞれの勇気と優しさ。ディズニーらしい前向きなお題目に説得力を持たせているのは、それが多面的に描かれているからに他なりません。あの継母の心情にだって思いをはせる瞬間がある。それって素晴らしいことです。
ビジュアルもいうことなし。見事です。おとぎ話らしいデフォルメと実写映画ならではのリアルさのバランスが絶妙で、特に王国の風景などはため息が出るほどの美しさです。『シンデレラ』という先入観を捨てて、ぜひ多くの人に観てもらいたい映画です。
『シンデレラ ガラスの靴の謎』
24/2015
#693
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