毛皮のヴィーナス
二人しか出てこない。エキストラや背景に映り込む人さえいない。
ブロードウェイでヒットした二人芝居を映画化したものだそうだが、では単に演劇を映しただけなのかといえばそうではない。ちゃんと動きのある一本の映画として創られているのはさすがポランスキー監督だ。
物語はとても面白い。演劇のオーディションを行う脚本家と女優を映し続ける、いわゆる劇中劇の形態をとっているのだけれども、だんだんどこまでが現実でどこからが演技なのかが分からなくなってくるところ。それが観客にとってだけではなくて劇中の二人にとってもなのがとてもスリリング。虚と実、男と女、支配と服従。そんな様々な境界がどんどん曖昧になってくる。
これは主演の二人の力量に負うところが大きいのでしょうね。決して美男美女ではないのですが、二人の表情から目を離せなくなるような吸引力があります。二人しか出ていないこと。舞台が二時間ずっと同じ場所であること。そんなことなど忘れてしまうほどの濃密な映画です。
ただ内容が内容なので人を選ぶ映画かもしれません(笑)
01/2015
#669
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