Year 2014
今年の日本映画界一番の話題は、やはり『アナと雪の女王』の大ヒットでしょう。
日本中がアナ雪一色に染まるかのようなその勢いは、大昔の『スター・ウォーズ』や『E.T.』の時代を思わせるような懐かしさでした。
しかし一方で、昔と比較して大きなヒットが出にくくなっているのも間違いのないところです。『価値観の多様化』はよいことなのですが、ことエンターテインメントの世界においては、ブームを起こしにくい状況というのはありがたいことではありません。
大手スタジオが手堅い続編ものや著名原作ものに予算をつぎ込む近年の傾向は今年も変わっていませんでしたし、来年も変わらないことでしょう。それでも今年の『インターステラー』のようなオリジナルシナリオの企画にちゃんと予算が付き、そしてそれがちゃんとヒットしているのを見ると、まだまだ映画界は大丈夫だな、という気持ちになれます。
来年はいよいよ『スター・ウォーズ』の再登場です。続編ものも楽しみですが、目を見張るような素晴らしいオリジナルにも出会えますように。
My Favorite 2014
1 インターステラー
昨年の『ゼロ・グラビティ』に続いて、オリジナルシナリオのSFに傑作が登場しました。技巧的な構造の中心に、あくまでも父娘の情愛を据え続けたことによって、本作は特別な映画になったのだと思います。
物量で世間をねじ伏せた超人気シリーズの続編でありながら、拡大再生産に走ることなく、省くものは省き、切るものは切り、見事にシェイプアップさせたピーター・ジャクソン監督。彼のクリエイターとしての成熟がうれしいです。
3 ゴーン・ガール
めくるめく展開と読めない着地点。映画を観る楽しさを存分に与えてくれる作品ですf。期待されている監督が期待に応えるというのは、簡単なようでいて難しいことだと思います。デヴィッド・フィンチャー、来年もまだまだ目を離せない監督です。
こんなにカジュアルなタイムスリップものが過去にあっただろうか。しかしその見た目とは裏腹に、描くテーマは軽くはない。しかしそんな軽くはないものを、さらりと受け止めてやり過ごしていく。そんな英国風のカッコ良さがとても魅力的な映画です。
5 ベイマックス
『アニメ映画』とカテゴライズすることが失礼に思えてくるほど、『アナと雪の女王』とともに、アニメーションの新時代を痛感させられた映画です。来年は『シンデレラ』が実写になります。実写とアニメが相互に侵食しながらとてつもないクオリティの映画が出来上がる。ディズニーは決して侮れない。
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