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2014/12/27

ホビット 決戦のゆくえ

H3 とんでもないところで終わった前作の続きなので、本作はとんでもないところから始まります。

冒頭から前作のクライマックスの熱狂を引き継いだ本作は、そのままシリーズの最後を飾るにふさわしく、ひたすら盛り上げに盛り上げます。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作に登場するお歴々も総登場。ホビットシリーズの、というより『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も含めた六部作の大団円として、これ以上ないくらいの見事な幕切れでした。

『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と『ホビット』三部作の違い。
『ホビット』三部作を観ていて終始感じたのは、その明るさと力強さでした。そしてそれはフロドとビルボの性格の違いに象徴的に表れていたのだと思います。それぞれに良さはあると思いますが、あの重たい『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の後であるからこそ、『ホビット』三部作の軽快さはとても魅力的でした。『ホビット』三部作の方が物語として簡素であるがゆえに、より強く旅の仲間たちの友情を描ききることができたと思いますし、それゆえエンディングの爽やかさは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を大きく上回っていました。

過剰なまでに詰め込まれたエピソード、登場人物、合戦シーン。深刻すぎ自己犠牲的すぎである後味の悪いストーリー。リアルなゆえにやや残酷な戦闘描写。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作は最終作の『王の帰還』でアカデミー作品賞を受賞しましたが、個人的にはあれは壮大な作り込みに対する努力賞であり、作品としては決して完全な物だったとは思いません。この『ホビット』三部作は決して『ロード・オブ・ザ・リング』三部作よりも高い評価を得ることはないと思いますが、わたしはこちらの方を高く評価したいと思います。

77/2014

#665

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