グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
映画の良し悪しを決定する最終的なポイントはどこなのだろう。
それは個人的な好みにもよるし、映画のタイプによっても異なるに違いない。しかし間違いなく言えるのは、観客の期待を裏切った映画は良い映画と呼ばれることはないということだろう。
カンヌ映画祭のオープニングで上映され酷評されたこの映画の場合はどうだろう。予告編を観て観客が期待する本作品の一番の見どころは「モナコ公国の危機に直面してグレース公妃が演じた一世一代の大芝居とは」という点に尽きるはずである。実際映画も大芝居の舞台となるクライマックスの舞踏会に向けてどんどんテンションをあげていくし、実際その過程は観ていて結構わくわくする。
しかし結局のところ、その大芝居のアイディアをメインに映画を創るには、そのアイディアが貧困すぎたということだろう。あの最後の演説はそれなりに感動的ではあったけれど、あれでなぜモナコが救えたのか、誰も納得しないはずである。ゆえにこの映画は、多くの人が観てがっかりする映画であったことだろう。
しかしニコール・キッドマンのキャラ映画だと思えばそれなりに楽しめる。全編出ずっぱりだし、なにより『女優』としての存在感をあそこまで堂々と表現できる存在そのものが貴重だ。彼女でなければ務まらない役柄だったかもしれない。ニコール・キッドマンのファンだけが楽しめる映画。たまにはそんな映画があってもよいでしょう。
64/2014
#652
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント