ファーナス/決別の朝
経済的に破たん寸前の鉄鋼の街。閉鎖目前の鉄工所で黙々と働く兄。街での生活になじめないイラク帰還兵の弟。
弟をその毒牙にかけるギャングたち。世間から隔絶された山地で暮らす彼らの暮らしぶりも豊かなものではない。
虐げられる側も、食い物にする側も、どちらも貧困の中にいる。どこへでも行けるはずなのに、どこに行くこともできない。一度落ち込んだら、もう這い上がれない。そんな彼らのドラマは、どこか生への執着が薄く、それゆえにどこか空虚である。自由で豊かな国、アメリカ。しかしその広大な国土の中では、こうして貧困にあえぐ人々も少なくはないのかもしれない。
真面目に生きながらも、どこかその心の奥底に暗闇を抱えた兄を演じるクリスチャン・ベールの表情。彼はこうした役柄が本当に似合う。サスペンス映画としてみるとスリルがないし後味も悪いけれど、主演助演誰もが好演している地味ながらもよい映画でした。
62/2014
#650
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