喰女 -クイメ-
三池監督の特徴というと、グロテスクでアンモラルな描写が第一に上がると思います。
ただその悪趣味さが、どちらかというと下品さや映画の中での異物感に通じることが多く、作品の完成度を低める方向に作用してしまっているのが常々残念だと感じていました。さてこの作品はどうなるのでしょう。いかにもJホラー的なタイトルですが、主演は市川海老蔵と柴咲コウというA級ラインナップ。そもそも映画の企画自体が市川海老蔵です。
結果としてみると、海老蔵サイドが上手く三池監督を使いこなしたという印象です。下品さはほぼ影をひそめ、三池監督お得意の陰惨な世界が品よく描かれています。劇中劇というやや複雑な構成を使いつつ、創作が現実を侵食してくる様子が上手に表現されていたと思います。
Jホラーを期待した観客の期待には全く応えられないとは思いますが、美しい映像、迫力ある演技とほどよい怖さ。充分に楽しめる映画だったのではないでしょうか。
50/2014
#637
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