トランセンデンス
人の脳の中の情報をコンピューターに移し替えたらどうなるのか?
サイバーパンク以降のSFにおなじみのテーマ。日本でいえば『攻殻機動隊』です。人としての情報が宿る身体が人なのか。それとも情報そのものが人なのか。最終的には『人』というものの根源についての考察に至るテーマの映画です。
しかしこの映画の場合、移し替えられる人よりも亡くなった愛する人を『移し替えたい』と願う人の心情に、より重きが置かれています。愛する人の復活を願うあまり、タブーを犯してしまう。そんな古くからある怪奇映画のモチーフが色濃く漂う映画です。本当の『怪物』はいったい誰だったのか。そんなことを考えながら観ていくと、本作のテーマがよりよくわかるのだと思います。
本国では酷評された本作ですが、本作の完成度を下げているのはクライマックス周辺に配されているアクションシーンに原因があるのではないでしょうか。ナノマシーンにより強化されたハイブリッド人間が怪力を発揮するというあのアクションシーン。あれはあまり見栄えがせず、正直安っぽいだけのシーンでしかなかったと思います。
『SF=アクション』という短絡的な発想があったのであれば非常に残念です。その時間を登場人物たちの心情描写に当てるほうが、本作が本来持ち合わせているテーマによりふさわしかったのではないでしょうか。
40/2014
#627
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