渇き。
もしかしたら本人はとても楽しんでいたのかもしれないけれども、「役所広司にこんなことやらせていいのか」と思わせるようなシーンが満載です。
いじめ、ドラッグ、暴行、拷問などなどなど。よくR15+ですんだなと思わせるような過激な描写のオンパレード。登場人物も常軌を逸したような人ばかり。ストーリーもあるのか無いのかギリギリのところです。とても万人に勧められるような映画とはいえません。
しかし、この映画の構成力はとてもレベルが高いです。時系列を乱し観客を混乱させつつも、完全に混乱させることのない微妙なさじ加減。ヴァイオレンスな描写に気をとられることなく注意深く観ていけば、あらゆるシーンにちゃんと意味やつながりがあり、物語を追いかけていける。複雑な編集で組み上げられた構成を解きほぐしていく過程は、ある種の興奮を覚えます。
手がかりはセリフにより与えられるのではなく、断片化されたあらゆるカットやサウンドの中に潜んでいる。まさに映画を観る楽しさが満載の映画だといえると思います。最低の内容を最高の仕様でパッケージングしたこの作品。こんな売りにくい商品企画にGoを出したギャガの英断に拍手です。
42/2014
#629
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント