WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
軟弱な都会の少年、ガサツで単細胞な林業青年、そして男勝りなヒロイン。
実にステレオタイプ的なキャラクター設定であり、また実にそれぞれの俳優がその役柄にはまっている。特に伊藤英明がよい。大いに怒り、大いに笑う。そのあまりにわかりやすい直球ぶりは観ていてすがすがしいほどだ。
そして物語もスタンダードである。少年のモラトリアムの物語。一人で初めての一歩を踏み出す物語。観客の予想の範囲で、予想通りに展開するストーリー。でもそれが退屈につながらないところがこの映画の素晴らしいところだ。
これはやはり、監督の演出によるところが大きいのではないだろうか。前半は笑いの要素を大目に。後半は感動要素をやや多めに。でも決して泣かせに走ることはなく、基本はあくまでも軽いコメディ。林業という特殊な業界を舞台にしているけれども、エコ啓発的なお勉強要素は限りなくゼロ。林業はあくまでもコメディに対するスパイスに過ぎない。そんな全体のバランス感覚、さまざまなさじ加減が実に手馴れている。
観た分だけきっちりと楽しませる。そんなプロフェッショナル感をひしひしと感じる良作です。
30/2014
#616
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