アメイジング・スパイダーマン2
そもそも『アメイジング・スパイダーマン』というシリーズは、どのような映画にするつもりで企画されたのだろう。
比較的見栄えの良いヒーロー、ヒロイン。そして『(500)日のサマー』で名をあげたばかりのマーク・ウェブ監督の起用というところから考えるに、それはドラマ部分、特に恋愛ドラマとしての要素の充実ではなかったかと個人的には考えていた。
ところが、前作そして本作に至ってもそのドラマ部分の出来は惨憺たるものだ。「繰り返し考えている」「いつも迷っている」口ではそう言いつつも行動が伴わない軽率な二人。評価できるのは天真爛漫な明るさのみ。そんな葛藤のない人間にはドラマは無理だろう。
前作でヒロインの父親の命と引き換えに、ヒーローに架された重い十字架。しかしそんな設定も全く機能せず。最後は仕方がないので、特に必然性もなくヒロインの命を奪ってドラマを盛り上げる。盛り上げるためだけにキャラクターの命を奪うという最低の演出である。
アクションシーンの映像が素晴らしいだけに、それ以外の杜撰さが際立つ。アメコミなんだからアクションがよければいいだろうという意見もあるだろうが、世間のアメコミのレベルは遥かに上だ。アクションだけしか見るべきものがないアメコミ映画は、完全に時代遅れである。そして現在のハイレベルなアメコミものの出発点ともいえるサム・ライミ版スーパーマンのリブートがこのあり様というのが、なんとも皮肉でことではありませんか。
26/2014
#610
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