ラスト・ベガス
容色が衰えれば、静かにフェードアウトしていくのがスターの運命。
でも現在のハリウッドでは、スターの寿命は確実に伸びている。
還暦を超えたオスカー俳優を4人もそろえた『ハングオーバー』。そんな趣の本作だけれども、さすがにあそこまでの無茶はやらない。というよりやってくれとは怖くて頼めないだろう。マイケル・ダグラスとロバート・デ・ニーロのストーリーラインがとても素晴らしく、その分だけ他の二人の影が薄くなってしまったきらいはあるが、それを補って余りある超豪華な共演シーンだった。
四者四様の老いと向かい合う姿。老いから目をそらすのではなく、自虐的なほど老いに向き合うのは、『老人もの』とでも呼びたくなるほど一つのジャンルとして定着しつつある、最近のハリウッド老齢スター大集合映画に特徴的な部分である。
もうマイケル・ダグラスはすっかり元気になったのだろうか。
映画を観ていると、ストーリーを追いつつも、ふとそんなことが気になってしまう。映画の中で登場人物が積み重ねた年数。それはスターたちが映画の中で積み重ねてきた年数そのものとつながっていく。
ヒーローたちが迷いながら年を重ねていく。そんな姿を観ることで、観客もまた同じような道に踏み込んでいく勇気をもらう。『老人もの』、大いに結構。本物のスターは、永遠にその輝きを失わない。
32/2014
#618
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