テルマエ・ロマエ II
日本の文化に衝撃を受けたローマ人が、それをローマ時代にフィードバックする。
この部分の『笑い』がコメディとしての『テルマエ・ロマエ』の基盤である。
そしてこの基盤の上にドラマが構築されるわけだけれども、前作はこのドラマ部分が今一つの出来であった。それは本質的に無関係な現代の真実の物語とローマ帝国のお家騒動を、タイムパラドックスものとして無理やり結びつけたことが、結果としてどっちつかずの中途半端な盛り上がりとなってしまったのだ。『笑い』が優れていただけに、ちょっと残念な作品だった。
そして本作では、現代のドラマを極限までそぎ落とし、ローマ帝国のお家騒動にドラマの的を絞ってきた。笑いの質は前作のままに、ドラマ部分の充実を図ってきたと考えていいだろう。お家騒動そのものは前作と大差がないともいえるが、ドラマが締まった分だけトータルな映画としての完成度はアップしている。前作の焼き直しともいえるが、巧みなリファインによってきっちり完成度を高めてきた点は大いに評価できると思う。正直期待していなかっただけに、うれしい誤算だった。
これ以上続けた場合あとはマンネリになるだけだと思うけれども、コメディのマンネリは悪いとは思わない。ネタが続くならまた観たいと思わせる、きっちり笑わせる安定感のあるコメディだと思います。
27/2014
#611
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