8月の家族たち
「女性が年を取るということは、醜くなることだ」
主人公であるメリル・ストリープ自らがそう言い切るこの映画は、人生の後半戦に差し掛かった女性たちの心情が、おそろしいくらい克明に描かれている。
ストリープ演じる母。ジュリア・ロバーツ演じる長女をはじめとした三姉妹。叔母や孫娘。一族の女性たちの存在感の前には、ユアン・マクレガーをはじめとした男性陣の影は薄い。女性の弱さ、強さ、もろさ、したたかさ。華美な装飾を取り払ったありのままの女性の姿は圧倒的で、その前に立ち尽くす、男性の非力さ、無力さが印象的だ。
年相応のありのままの姿で演じられる女優たちの演技合戦が大迫力。このあと彼女たちの人生はどうなったのか。決してハッピーエンドではない、というより結末さえ迎えないまま終わってしまった、放り投げるようなエンディング。それが不思議とこの映画には似合っている。
24/2014
#606
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント