スター・トレック (1979)
子どもの頃からずっと、『スター・トレック』の魅力がよくわからなかった。
ジャージのような冴えないユニフォーム。クルーはなぜか、おっさんとおばさんばかり。エンタープライズ号も大してカッコ良くないし、特撮はしょぼい。でもそれは、『スター・ウォーズ』のようなスペースオペラと比較するのがいけないのだと、最近なんとなく気が付いてきた。
確かにドラマとして微妙なところも多いのです。カーク提督が伝説の存在といわれているわりには、単なる場当たり的な独断専行提督にしか見えなかったり。周囲のクルーが信頼しているということになっているわりには、なんとなく迷惑そうに見えてしまったり。自らの老いを嘆くカークのシーンが長くて緊張感がそがれてしまったり。
でもそういう妙な部分を取っ払ってしまうと、実はとても正統派のSF物語が姿を現すのです。物語の核心は、戦争ではなくてあくまでも探索。未知の星、未知の生命体。それらとの出会いを通じて、人類の在り方を改めて描くという、実にオーソドックスかつ高尚なテーマを志した映画だということがわかります。本作の機械生命体の正体なども、実に考えられていますし、ある意味感動的でさえあります。
ただそれが、妙にとっつきにくいおっさんおばさんのドラマに包まれているところが、『スター・トレック』の特徴であり、弱点であり、そして魅力なのでしょうか(笑)
#607
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