ホビット 竜に奪われた王国
「ホビットの冒険」、第二弾。
生命力あふれるドワーフ軍団と風格漂うガンダルフの狭間で、今一つ存在感のなかった前作のビルボですが、本作では一転して大活躍。いよいよ『ホビットの冒険』の名に恥じない展開になってきました。
仲間たちと困難を乗り越え旅をするというモチーフ『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と共通しており、見た目もロード三部作と大差ないため新鮮味はほとんどありませんが、ロード三部作と明らかに異なるのは、本作が持つ『明るさ』だと思います。バイタリティあふれるドワーフたち。フロドと比較するとどこか醒めて落ち着きのあるビルボ。困難に陥りながらもどこかひょうひょうした物語の語り口は、重苦しかったロード三部作と比べると軽快です。
もちろん、善と悪、自らの欲望との戦い、そういったトールキンに共通の道徳的モチーフは本シリーズにも含まれています。しかし、それを真正面から深刻に悩んでしまうのではなく、さりげない表情一つでうっすらと観客に印象付けるマーティン・フリーマンが素晴らしい。光と闇、活劇とドラマの見事な配分。ここまで5作創られたピーター・ジャクソンの『指輪物語』シリーズの中では、本作がもっとも楽しめる一本であるかもしれません。
そして、とんでもないシーンでまさかのエンディング!
中つ国での冒険は、まだまだ続きます。
14/2014
#596
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