アナと雪の女王
童話をモチーフにしているだけに、物語は簡素で心情描写も最低限だ。
しかし歌の力を利用した最小限の心情描写は、あまりに強力だった。
冒頭の『雪だるまをつくろう』による姉と妹の生い立ちの物語だけでも感動的だったけれども、さらに大きな感動がそのあとにやってくる。
主題歌の『Let It Go』。楽曲だけを聴けば、とても力強いポジティブな印象の曲だけれども、この映画はその曲をまったく異なる印象のシーンで使ってくる。たった一人の氷の宮殿。なんでもできるけれども、なにもできない。そして誰もいない。あまりに哀しいそのシーンで歌い上げられる『Let It Go』。ここでのこの曲は涙なしには聴けない。
そして全てが終わったエンドタイトルで再び聴くその曲は、同じ歌詞でもまったく異なる印象を与える。まさに「ミュージカル」を名乗るにふさわしい、歌の力を最大限に引き出した素晴らしい演出だ。
本気のディズニーの実力が如何なく発揮されたおそるべき完成度。とりあえず、今年を象徴する一本になることは間違いない。
18/2014
#600
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