アメリカン・ハッスル
凄腕詐欺師達のコンゲームと、4人による二つのトライアングルのラヴ・ストーリー。
この二つの要素が絡まり合いながら物語が展開するわけですが、どちらの要素をもかき回すキーパーソンが、最近すっかり『不安定キャラ』が定着したジェニファー・ローレンス。彼女が全てをぶち壊していくそのストーリーはコミカルでありながらも、結果としてコンゲームはややスリルに欠け、ラブ・ストーリーはやや情感に欠けることとなりました。
いつものように俳優の持ち味を最大限に発揮したデヴィッド・O・ラッセル監督の映画創りは健在ですので、もちろん映画としては高品質です。しかし、『ザ・ファイター』や『世界にひとつのプレイブック』のような一途に感動が押し寄せてくるようなタイプの作品と比べると、その感動は限定的です。コメディとして見ても大笑いするような映画でもないため、今回はそんなエモーショナルな部分をあえて『押さえて』いるような印象さえ受けました。
しかしそんなやや醒めた演出が吉とでるかもしれません。
『ザ・ファイター』と『世界にひとつのプレイブック』が果たせなかった栄冠への再挑戦。
直球を好まないアカデミー会員には、ひょっとしたらこれくらいの方がお気に召すかもしれません…
8/2014
#590
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