Year 2013
映画は『投資』としての側面を持つ。
景気がよければ冒険を。景気が悪ければ手堅く。それが投資のあり方であるからして、現在の映画界には手堅いものが求められているということになる。
もともと映画界での『続編もの』はお手軽なヒットを狙った安易な企画が多く、シリーズを追うごとに質が低下していくのが一般的だった。ところが最近は違う。手堅い『続編もの』や『リブート(再映画化)もの』に、多くの資金と才能が注ぎ込まれているのだ。だから最近の『続編もの』はびっくりするくらい出来がよい。
またそれらの『続編もの』が戦略とマーケティングに基づいて、まるで工業製品のようにスケジュール通りに製作されているのも最近の特徴だろう。間隔は1年から2年。投資効率を低下させないためには、観客に忘れられてしまう前に続けざまに高品質な続編を送り込む必要があるのだ。
楽しかった映画の続編を観ることができるのはうれしいものだ。だから公開直後に続編や続々編の製作が決定し、それらが短いサイクルで上映される現状は喜ぶべき状況ではあるのだけれども、思いもよらなかった続編のアナウンスを聴く喜びがなくなってしまったのは事実。第1作の公開から四半世紀以上の後に『スター・ウォーズ』の完結編(ではなかったのだけれども)を観たときの震えるような感動は、もう味わえないのでしょうね。
My Favorite 2013
1 ゼロ・グラビティ
続編でもなく、原作もないオリジナルシナリオながらこの完成度。人の創造力はまだまだ尽きていないのだと感動しました。映像と音響と物語。この3つが揃ってこそが映画なのです。
2 ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
とても美しく、そしてとても悲しい物語。
予備知識なしで、ただ観て、感じて、考えて欲しい映画です。
3 トランス
観客の予想を裏切る展開、それは映画のジャンルさえも超えてしまうものでした。
これもぜひ予備知識なしでご鑑賞を。めくるめく展開と驚くべき人生がそこにあります。
4 ラストスタンド
これはアーノルド・シュワルツェネッガーという一人の俳優が再起動(リブート)を果たした映画です。昔のままではなく、今を生きる等身大のシュワルツェネッガー。『老い』を味方に付け、今まで以上に魅力的な彼の演技が感動的です。
5 ワイルド・スピード EURO MISSION
シリーズを追う事に内容が充実してくる希有なシリーズ。
シリーズを貫く、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルの友情の物語。それがこの映画の完成度を高めていた大きな要因であることは間違いありません。
R.I.P.
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