ハンガー・ゲーム2
全米ベストセラー小説を映画化した『ハンガー・ゲーム』は、大ヒットしたわりには特に見るべきところのない凡庸な映画だった。
しかし公開後、大事件が起こる。主演のジェニファー・ローレンスが『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー主演女優賞を獲得したのだ。
今のままの『ハンガー・ゲーム』シリーズがオスカー女優にふさわしいとは思えない。三部作を撮り終わる前に降板されたらどうしよう。そこで製作陣はシリーズに大規模なてこ入れをおこなったのでした。
前作のハート・ウォーミング系監督から、アクション+SFに手慣れた『コンスタンティン』や『アイ・アム・レジェンド』の監督に。『スラムドッグ$ミリオネア』と『リトル・ミス・サンシャイン』でオスカーを受賞したふたりを脚本家に。さらに敵役にはこれまたオスカー受賞歴ありのフィリップ・シーモア・ホフマンを配置。ひっくるめて総製作費は前作の2倍近い1億5千万ドルという大盤振る舞い。
そして『ハンガー・ゲーム2』は『ハンガー・ゲーム』の続編とは思えない、よい映画に生まれ変わりました(笑)。緊張感のとぎれないシナリオ。情感あふれる演技。重厚で美麗なSFX。戦闘シーンも直接的描写を押さえながらもスリリング。『戦い』から『連帯』へと動いていく、シリーズの重要な流れをとてもよく描けていたと思います。オスカー勢の力を借りまくったとはいえ、この持ち直しかたは驚異的。素直に製作者に拍手を送りたいと思います。
ちゃんと企画を練り直したら、ちゃんとした映画ができたという好事例。
次もこの調子でお願いしたいものです。
102/2013
#582
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