かぐや姫の物語
「正直者が最後に報われる」「貪欲な者が最後に罰を受ける」
昔話にはそんな教訓が込められていることが多い。
しかし『竹取物語』の物語構造は奇談であり、他の昔話のようにわかりやすい教訓話は含まれていない。竹取物語は単なる不思議なお話なのか、それとも裏に込められた見えざる意図があるのだろうか。
そんな竹取物語をスタジオジブリがアニメ化したのがこの映画です。その内容は基本的に昔話そのまま。正直最初は、日本随一の人気アニメスタジオがわざわざアニメ化する意味がよくわからなかった。でも観ていくうちにわかってくる。現代的な感覚を与えられたこの映画のかぐや姫。彼女を通じてこの映画が描こうとする物語の意図が。
高畑監督が込めたその意図は、やはり監督の『今』が色濃く表れたものだと思うし、それはそれでよいのでしょう。ゆえにこの映画のテーマ、かぐや姫の感じた哀しみは、それなりの年齢の人にしか実感はできないものかもしれません。それでもそのようなテーマの映画を世に出してきたジブリ。夏の『風立ちぬ』同様に、これからのアニメのあり方を見据えたジブリの本気を感じました。
94/2013
#574
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント