謝罪の王様
よくも悪くも、いつもの宮藤官九郎脚本映画である。
『少年メリケンサック』の時も、『なくもんか』の時もまったく同じ感想だったけれども、仕方がないのでまた同じ感想を書こう。
「細部は面白いけれども、全体としてみると盛り上がりに欠ける。」
オムニバス形式っぽいこの映画では、ついに開き直って全体を捨てて細部のみに注力しているのかと思ったけれども、主人公黒島の過去にまつわるエピソードや典子親子のエピソードのように、全体を通してのドラマもある。どちらも丁寧に伏線が張られているし、よく考えられているけれども、残念ながらそれらが感動や驚きを感じさせるところまでは行かない。結果として、テンポが落ちて映画の後半が重たくなってしまっただけという印象だ。
さらに本作では、阿部サダヲと井上真央との相性もよろしくない。
阿部サダヲは基本的に『ボケ』であり、誰かに小突き回される姿が似合う男である。
しかし本作では、相方である井上真央にも『ボケ』要素を振り分けているため、阿部・井上双方がお互いにボケつつ突っ込んでいるという、なんとも中途半端な状況となってしまっている。
一番印象に残ったのは、岡田将生のいつもとは全く異なるバカっぷり。
あれはすごかった。
80/2013
#559
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