劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

人気のテレビアニメに、ラストの一年後のエピソードを付け加えたものだとか。

テレビアニメの劇場版というのは結局のところ単なるダイジェスト版となってしまうことが多い。テレビシリーズを観ていない者には意味不明、テレビシリーズを観ている者には追加シーン以外面白くないという、非常に中途半端な作品になってしまいがちである。

その点、この映画の編集は素晴らしいのではないでしょうか。
テレビシリーズ部分と追加部分の時系列を不連続にすることで、テレビシリーズを観ていない観客に常にもやもやとした『謎』を抱かせ続けるのですが、それが映画の先を知りたくなる強力な原動力となっています。また、その謎解き加減がまた絶妙。大まかな話が推測できる程度には解答を与えられながらも、全ての出来事が知らされているわけではないことも、ちゃんと引っかかりとして後に残る。

テレビシリーズを観ていない者でも単独の作品として楽しめる。というより、テレビシリーズを観ていない者のほうがこの映画を楽しめるに違いありません。そして観終わった後には、テレビシリーズを観たくなること間違いなし。

ある意味、最強のテレビシリーズ予告編といえるかもしれません。

72/2013

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