終戦のエンペラー
天皇の戦争責任の有無と行方不明の恋人の安否。
二つの問題を解明すべく奔走するアメリカ軍准将の物語は、いささか中途半端なものかもしれない。
メインストーリーである天皇の戦争責任についての探求も、行き当たりばったりに要人と面談しているだけにしか思えず。複雑な権力構造や日本人の精神的特殊性を一つ一つ解きほぐしていくような、歴史ミステリー的な楽しみ方はまったくできない。このあたりは大きなマイナスだろう。
恋人探しも、普通なら真っ先におじである鹿島大将のところへ行くべきところを、あちこち遠回りしているだけにしか思えず。彼の喪失感があまり伝わってこないのは、回想シーンの盛り上げが足りなかったせいだろうか。
それでも、ニュージーランドに創り上げられた東京の廃墟はなかなかのもの。美術も特撮もいい雰囲気を出している。なにより、クライマックスのマッカーサーと天皇の会見シーンが素晴らしく、感動的だった。
全体としてはイマイチだけれども、ちょっと観ておくのもよい作品。
60/2013
#538
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