イノセント・ガーデン
予告編から受ける印象通り、これは『悪い血』の物語であり少女版『ゴールデン・ボーイ』である。
本編を観るとわかるのだけれども、予告編が映画の内容を伝えすぎており興を削いでいる。映画の魅力を正しく伝えるのが予告編の仕事であるけれども、本作のようなシンプルな物語の場合は、特に加減が大切なのではないだろうか。
それでもこの映画は見応えがある。シナリオではなく、映像そのものを使ったギミックの数々。思わせぶりで暗示的なカットの積み重ね。登場人物の感情のゆらぎも、セリフではなく映像で表されていく。小説でも演劇でもない、映画の魅力はこういうものだと実感できる。
韓国のパク・チャヌク監督のハリウッドデビュー作だけれども、そんなことを一切感じさせない完全にワールドクラスの仕上がり。その美しい映像は、なるほど製作のリドリー・スコットのお眼鏡にかなうだけのことはあります。
43/2013
#521
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