ヒッチコック
伝記映画ブームもついにここまで。
「マスター・オブ・サスペンス」 アルフレッド・ヒッチコックの登場です。
ただし描かれているのは生い立ちでも映画界でのサクセスストーリーでもなく、キャリア後半の『サイコ』収録時の話のみ。原作の『アルフレッド・ヒッチコック&メイキング・オブ・サイコ』というタイトルそのそのまま、伝記と言うよりは『サイコ』のメイキングといった方がぴったりな内容です。
『サイコ』は相当な難産だったようで、その製作時における撮影現場やヒッチコックの家庭での様々な軋轢や葛藤のドラマが描かれています。中でも家庭でいざこざの描かれ方が、まるでヒッチコック映画のようなサスペンスタッチで、ハラハラすると同時に笑えます。ヒッチコック夫婦役の超ベテランコンビ、アンソニー・ホプキンス&ヘレン・ミレンの緩急剛柔使い分けた演技に全てお任せ。彼らに身をゆだねているだけで楽しい時間を過ごせます。
小説と違って映画は一人では創れません。お金だって他人に出してもらわなければなりません。そんな中で、いかにアーティストは自分の望むものを創ろうと努力していくのか。そして自分の中のどんな衝動が、どんな闇が映画の中に塗り込められていくのか。そのあたりの描写も興味深い映画でした。特にヒッチコックに詳しくなくても(まぁ『サイコ』を観たことがある程度で十分)、映画に興味がある人にはとても楽しめる映画だったと思います。
27/2013
#505
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