コズモポリス
情報量が増えれば増えるほど、ひとつひとつの情報は断片化してくるように感じるのは気のせいだろうか。
インターネットの世界は、通信速度の遅い昔は文字情報が中心だった。やがて高速な通信網が整備されると、写真や動画での伝達が容易になった。一方でやりとりされる言葉は短くなっていく。文章が文になり、単なる文節になり、単なるつぶやきになった。
その断片化した情報を大量にかき集めたとしても、つながらないので不安が残る。自分が全てを知っているのか。自信が持てないから心配になる。だからこの映画の主人公は執拗に言葉を交わす。それでなにかを埋めようとするように。
不安。焦り。怒り。あきらめ。閉塞感。嫉妬。生きているのか。死んでいるのか。
いくらかき集めても満たされない、もやもやとかきたてられるマイナスのベクトル。膨大な情報も膨大な富も、それをぬぐい去ってはくれない。
そんな有様を描写しているのはわかるのですが、物語自体も断片化しているため、筋を追って物語を楽しむのはもはや不可能。断片自体はそれなりに楽しめるものの、一般的な映画としてみると…
たくさん映画を観る中で、たまには妙な映画を観てみたい。そんな人にお勧め?
28/2013
#506
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