草原の椅子
育児放棄をした赤の他人の子どもを、ひょんなことから引き受けることとなった50歳のバツイチサラリーマン。子どもとの生活を通じて、彼は自分のこれまでの人生を見つめ直しはじめる…
といった感じの映画なのですが、育児放棄若夫婦の精神的に不安定なキャラクター設定がかなりのインパクト。特に母親役の小池栄子が凄まじい。もともとちょっと不安定な役を演じさせたら絶品な彼女ですが、本作での彼女は正にホラー級。あまりの迫力にここだけが映画の中で浮いてしまっている。というよりも、凄すぎて笑うしかない。
この彼女の熱演は、残念ながら映画にとっては逆にマイナス。映画として、ここが一番印象に残ってしまってはいけません。これは彼女が悪いのではなく、彼女に依存しすぎた過剰演出が悪い。使用方法を間違えられた小池栄子がかわいそうです。
そして本来のヒロイン役である吉瀬美智子。彼女に、この小池栄子のインパクトに打ち勝つだけのものがないのも痛い。CMや写真で見ると魅力的な女性に思えるのですが、この映画では表情もセリフ回しもなんだか平板で魅力に乏しい。長時間見続ける映画では、ただ普通に美人なだけではちょっと厳しい。
主演女優と脇役女優のバランスの悪さ。いくら佐藤浩市が準三枚目的な演技でがんばっても、ちょっととりかえせなかったでしょうか。
17/2013
#495
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