つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語
予告編やポスターを見ただけではわかりにくいのですが、この映画はオムニバス形式をとっています。
『艶』という一人の謎めいた女性を中心に、彼女の影響で周辺に巻き起こるドラマを描いていますが、各ストーリーはリンクこそしているもののそれぞれが影響し合っているわけではなく、それぞれのストーリーはそれぞれに完結しています。
『艶』の人となりがあまり描かれていないため、どうしても彼女が及ぼす影響が実感しにくく、ややドラマの盛り上がりに欠けるきらいがあります。それでも各話に登場する女性たちの、理屈では割り切れないもの、どうにもならないもの、そんな様々な心情を見守っていくだけでも楽しめる映画であったと思います。
一種独特の光の表現も、この映画で印象に残ったところです。
この映画の空や窓、明るいところはいつもぼやけています。湖の湖底に身を沈めて、淀んだ水の中から水面を通して空を眺めたら、ちょうどこんな風に見えるのだと思います。
近くにあるはずなのに、明るいところはあんなにも遠く、手を伸ばしても決して届かない。
そんな感覚は、この映画の彼女たちの感覚だったのかもしれません。
7/2013
#485
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