ストロベリーナイト
テレビドラマ版『ストロベリーナイト』は、本当に出来が良かった。
派手なシーンはないけれど、構成やカメラワークも凝っているし、登場人物のキャラクターもおもしろい。このドラマには原作小説があるのだけれども、面白さでいえばドラマ版は原作を上回っている。原作にはない描写やエピソードを付け加えることで、完成度で原作を超えている。これは脚本家の手腕がとても優れているということだろう。
そして満を持しての今回の映画化である。
元がいいので、映画の出来も良い。でもそれは、ドラマ版と同じくらいの出来のよさであって、映画になった事によるプラスアルファが感じられないのがちょっと気になる。
海外にロケに行ったり、大がかりな爆破シーンがあったりすればいいわけではないけれども、それでも映画ならではの、いつもとは違った『何か』があったらなあ…
でも、ドラマ版では毎回交代で登場するレギュラーメンバーが一同に会する様は、ファンにはうれしいのものでした。
それより最も問題なのは、今回の映画版の最重要要素である『姫川の恋愛』について、あまりにも唐突な印象で、ほとんど説得力が感じられなかったことでしょう。ひきつけられたその理由。彼女が陥った葛藤。そんな彼女の心の動きを、観客に納得させるだけの描写があったでしょうか。
ただ、映画版の脚本がドラマ版と同じということを考えると、これは映画版の欠点というよりも、そもそも原作がもともと抱えていた問題なのかもしれません。
そのあたりは、原作を読んでみれば判明することでしょう(今回は読まずに観たのです、映画の方が面白いだろうと思って…)。
なんにせよ、姫川班はこれで解散。『ストロベリーナイト』シリーズはこれをもって一区切りです。
6/2013
#484
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