ホビット 思いがけない冒険

６０年前とはいえ、中つ国は全然変わっていない。

もっともあのような景色ではそれも仕方ない。主要な登場人物も年齢不詳の魔法使いやらエルフやら、見かけがあんまり変わらない人達がたくさん。
それゆえ、映画としては代わり映えがしない。ストーリーもどこかで見たようなシーンの連続。これは新シリーズのオープニングとしてはマイナスとも思える。

しかしその『久しぶり感』によって、なごみを感じるのも確かなこと。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの重苦しさと比較すると、ドワーフたちの人柄ゆえか、このシリーズは明るく力強い。
３部作でありながら、初っぱなから３時間もあるというその長大さ。観客はいさぎよく、その長大さに浸ってしまえばいいのだ。どっぷりと中つ国に浸りこんでしまうと、今回の中つ国はなかなか居心地がいいのである。

まぁとにかく、あと６時間くらいは続くわけです。
気長に楽しみましょう。

78/2012

#473