ロック・オブ・エイジズ
私はどちらかといえばミュージカルが嫌いです。
だって、なんだか見ている方が恥ずかしくなるじゃありませんか。心情を朗々と歌い上げるキャラクターたち。なかなかついて行けるしろものではありません。
本作もミュージカルですから、それは同じです。スターになることを夢見て、夜行バスで一人旅立つ少女。彼女がひっそりとフレーズを口にすれば、そっと歌い返すのはバスの運転手さん。そしていつの間にやらバスの全員で大合唱。なんとも気恥ずかしい限りです。
しかし本作には大きな問題があります。それは彼女が歌うのがナイト・レンジャーの『シスター・クリスチャン』だということです。
そうなんです。本作はミュージカルとはいいながらも、その楽曲はへヴィ・メタル。さらにはジャーニー、フォリナー、ジョーン・ジェットにパット・ベネター。あの頃のロックの数々が総登場。クォーターフラッシュなんて何年ぶりに聴いたことでしょう。
本作を見てよくわかりました。ミュージカルが楽しくないのは、その楽曲に関心がないからなんですよ。その楽曲が好きだったら、ミュージカルは最高に楽しいわけです。
もちろんロックの歌詞をベースに話が進むわけですから、たいした話じゃありません。でもそんなのいいんです。ロックですから。みんなバカでいいんです。いや、バカなほうがうれしいのです。
そんな本作での、最高のバカ役。ロックの神様。帝王降臨。主役じゃないけれど、実は観客みんなが一番楽しみにしていた男。
それがカリスマ・ロックスター、ステイシー・ジャックスを演じたトム・クルーズ様です。
じゃーん。…これ、すごいですよ。
トム・クルーズ、好きなんですかねぇ、メタル。
好きじゃないのにここまでできるなら、それはすごい役作り能力、役者魂だと思いますが、好きなんだったら、うれしいですね。
もちろん、歌も歌っています。ガンズにデフ・レパード、フォリナー。どれも違和感ないのがすごいです。ハリウッド・スターってすごいです。
エンド・タイトルは、トム・クルーズが歌う『Rock You Like A Hurricane』(笑)。
こんな映画が観られる日がくるとは…うれしいなぁ。
60/2012
#456
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