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2012/09/09

最強のふたり

Unt 首から下が麻痺した主人公の物語ゆえ、その根底には常に絶望がある。

それなのに、まるでコメディーであるかのように、全編ほとんど笑いっぱなし。ブラック・ジョークや下ネタ中心の笑いでありながら、なぜか下品にならないのはフランスというお国柄なのか。ひたすら笑って笑って、そしてふと気がつく。絶望的な主人公の生活描写のなかに、半ば強制的にもたらされる笑い。なぜこの映画は、こんなにも笑いに満ちあふれている必要があったのだろう。

人が生きていくその根底には、常に死があり、不安があり、絶望がある。
それでもどうして、ささやかな楽しみがあるのだろう。
それどもどうして、小さな笑いがあるのだろう。
笑いは不安をぬぐい去ることはできないけれども、それでも両者は共存できる。
共存することで、絶望は少しその鋭さを失い、楽しさは少しその輝きを増す。

主演の二人がとてもよいのだけれど、特にスラムの黒人青年役のオマール・シーが素晴らしい。彼がいつか、エディー・マーフィーやウイル・スミスみたいなスターになったとしても、全く驚かない。

55/2012

#451

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