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2012/09/08

あなたへ

U 現在における高倉健の魅力とは何でしょう。

無口で、礼儀正しく、控えめで、責任感が強くて、頑固で、真面目で、照れ屋で。
そんな、現代では死滅してしまった日本の男性像。決して目立たないけれども、世界をしっかり支えてきたような存在。
心のどこかにある昭和の思い出。ノスタルジックな記憶。
多くの人が今でも持っていそうした共通の概念をそのまま具体化したような、そんなキャラクター像、その魅力がこの映画の根幹をなしているのだと思います。

ゆえに映画は、とてもさっぱりと薄味です。
多彩な共演陣が揃っていますが、基本は高倉健の一人旅です。
物語も、さまざまな謎を投げかけつつも、決して謎解きを目的とはしません。
謎を解くのが人生ではなく、謎と共に生きるのが人生なのだともいうように、謎のまま終わってしまう謎もあります。

この映画で高倉健が旅する日本。
日本にはまだまだ行ったことがない美しい場所がたくさんあるのだなと、素直に思える素朴な田舎の風景。
そこで静かに生きている人々。ささやかな幸せと、静かな苦悩。

そんな穏やかな魅力をもつ映画だけに、最後の唐突にも感じられるどんでん返しは不要だったような気もしますが、それでも高倉健の魅力がストレートに表現された、口数の少ない、よい映画だったと思います。
ただ人によってはその口数の少なさが物足りなさに通じるかもしれません。そのあたりでこの映画の評価は分かれるかもしれませんね。

54/2012

#450

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