ワン・デイ 23年のラブストーリー
1988年7月15日。
そこから23年間に渡って、毎年7月15日だけを抜き出して描く、ある男女の物語。
1年ごとに描かれていく7月15日の情景。1年ごとのその差異は、とても小さい。
「これはある1日を、1時間ごとに抜き出して描いた映画だ」
そういわれたら、そのようにも思えてしまうほど。シーンの切り替わりが、1年の長さを感じさせない。だからこの映画の意図が、なかなか見えてこないかもしれない。
そう思えないけれど確実に流れている。それこそが時の本質だ。
今日と同じような明日。今月と同じような来月。そして今年と同じような来年。
一つの区切りは、たいして変わらないように思えるし、実際にたいして変わらない。
今年と来年も。来年と再来年も。再来年とその次も。
時の流れは基本的にゆっくりで、でも、絶対に止まらない。
やがてそのたくさんの積み重なりが、いつの間にか、愕然とするほどの違いを産む。取り返しのつかないほどの、変化となって現れる。
そしてどんなにゆっくりした流れであっても、決して遡れないし、決して違う流れに乗り換えることも出来ない。
たくさんの流れの中で、自分がたどれるのは、たった一本だけ。
流れに身を任せる男女の切ない半生を、主演の二人が好演。
特にその絶妙な表情で全てを感じさせる、アン・ハサウェイが素晴らしい。
この映画を観たら、彼女のファンにならずにはいられないほど。
47/2012
#443
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