メン・イン・ブラック3
いかにもSF超大作的なシリーズですが、実は大作的な壮大さの感じられるシリーズではなかったというのが正直なところです。
結局のところは、ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの漫才的かけあいに、粘液質エイリアンの下品な悪趣味描写をちりばめただけの映画。SF的ストーリーの面白さや、スリリングなアクション。そういったものとは、全く無縁のシリーズだったといえるでしょう。
それは、この三作目でも基本的には変わっていません。しかし本作では、出番の減ったトミー・リー・ジョーンズの代わって登場するジョシュ・ブローリンが、映画に微妙な変化をもたらしました。彼の登場する『過去パート』。そこでの人間ドラマがなかなかよいのです。
それぞれの登場人物の、それぞれの過去。ここまで決して語られることのなかったストーリー。軽妙なトークで観客の笑いを誘うだけの存在ではなく、血の通った存在としてそれぞれのキャラクターが描かれたことで、過去のシリーズには存在しなかった、情感と感動が生まれています。
まさか『メン・イン・ブラック』に泣かされるとは。
そう思った観客も多かったのではないでしょうか(まぁ、『メン・イン・ブラック』の本質を考えれば、これは反則技かもしれませんけれど…)。
とりあえず、ダントツのシリーズ最高傑作であることは間違いありません。
40/2012
#436
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