テルマエ・ロマエ
本来出会わないはずの『文化』同士が、ふとした拍子に出会ってしまう。
SFではおなじみの『比較文化論』的ストーリーですが、その接点が『お風呂』というのがとても異色です。両世界のお風呂を行ったり来たりする前半はかなりの面白さ。作りが丁寧なことも相まって、とてもよい出来です。
ただ、お風呂を行ったり来たりするだけで2時間の映画にするのは、やはりちょっと無理です。本作も後半は『歴史改変阻止』という、タイムスリップものの定番的展開に移行します。
後半も筋書きとしてはよく考えられています。でも「ローマ皇帝が違う人になってしまう」という歴史改変が、どれだけ現代日本(つまりは映画の登場人物たち)に影響がでるのかを描写できなかったことが大きなマイナス。つまり、それを防がなくてはいけない必然性を観客に感じさせられなかった分だけ、盛り上がりに欠ける展開となってしまったと思います。
この映画で何より頭が下がるのは、様々な映画で活躍して実績を積み重ねている阿部寛が、全編にわたって半裸もしくは全裸というこの役を引き受けた『勇気』です(笑)。
観ればわかりますが、この映画ははっきりいって阿部寛が全てです。彼がいなかったら成立しない企画ですし、この映画の面白さはほとんどが彼の演技に起因するものです。
本当に引き受けてもらえてよかったですね。
そして、ヒットしてよかったですね。
34/2012
#430
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コメント
“湯の国ニッポン”ともに頑張ろう日本!
はじめまして、こんにちは。
こちらは、映画『テルマエ・ロマエ』『ノルウェイの森』のロケ地、伊豆の大滝温泉天城荘でございます。
昨年(2011年)9月の台風被害復旧が捗らず余儀なく休館をいただきながら、再開に備えを進めてまいりました。おかげさまで、大勢の皆さまからの応援とご協力によりこのゴールデンウィークに再開できました。多くの皆さまにまたおもてなしをさせていただけるようになりましたこと本当に感謝でございます。
再スタートによって明確になった新たな課題等もありますが、真摯に、今後もコツコツ個性に磨きをかけて、一人でも多くの皆さまの健康と幸福のお役に立ちたいと存じます。
これからも『テルマエ・ロマエ』『ノルウェイの森』ともども伊豆の大滝温泉天城荘、湯の国ニッポン、何卒宜しくお願いします。
皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。
“湯の国ニッポン♪”このご縁を大切にともに頑張ろう日本!
投稿: 大滝温泉天城荘 | 2012/06/19 10:47