ドライヴ
『トランスポーター』のような映画を想像して観に行く人が多いと思いますが、アクション映画としては、かなり異色な作品です。
まず前半は、主人公とヒロインの、近づきたいけど近づけない、伝えたいけど伝えられない、そんなもどかしい恋愛模様が、かなり濃厚に描かれます。映像的にも叙情的で美しく、音楽も包み込むようにムードたっぷり。
主人公が優男であることもあいまって、どう見てもこれはアクション映画という雰囲気ではありません。
ところが後半に入ると流れは一転。社会の闇にうごめく害虫たちの殺し合いが、突如として大フューチャーされます。そしてその中でも最凶の毒虫が、サソリと化した優男主人公だというのがなんとも不気味です。「愛する者を守るためにしかたなく」なんていうレベルを遙かに超えた、虚無的な凶悪感を漂わせています。
アクションというよりもヴァイオレンスといったほうがしっくりくるような、血まみれの殺人描写の連続となるわけですが、映画の雰囲気は前半の恋愛映画モードと同じままというのが、またなんともいえません。
このような一風変わった映画との出会いは、マイナー系の映画ならではの楽しみといえるかもしれません。
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