« スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D | トップページ | マリリン 7日間の恋 »

2012/03/21

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

Ms人生の黄昏を迎えた人の内面とはどのようなものだろうか。

マーガレット・サッチャーの伝記を思わせる映画だけれども、この作品の中心となるのは、あくまでも『今』。人生の黄昏を迎えたサッチャーの『今』の想い、その内面の描写が映画のメインとなっている。

自由に動かなくなる身体。『お荷物』になること、気遣われることへのいらだち。
幸せだったこと。つらかったこと。誇らしかったこと。愛しかったこと。
良いものも、悪いものも。さまざまな思い出のかけらが、意識を浸食し、そして幻惑する。
今まではなんだったのか。今はなんなのか。何を求めてきたのか。何を得られたのか。

『J・エドガー』同様、伝記として観ると物足りないかもしれない。この映画での『伝記』は、マーガレットの意識に不規則に浮かび上がる単なる断片。映画を装飾するコラージュに過ぎないからだ。
でもそれでいいのだろう。この映画は、『過去』ではなく『今』を描いた映画なのだから。
そういう観点から観てみると、とてもよく描かれていた映画だと思います。

この映画の監督は、これが2作目の監督作。
1作目は『マンマ・ミーア!』。
まるでメリル・ストリープお抱え監督のようだけれども、彼女に抱えられるならば監督としては安泰ですよね。

22/100

#418

|

« スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D | トップページ | マリリン 7日間の恋 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙:

» 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」女は強し! [シネマ親父の“日々是妄言”]
[マーガレット・サッチャー鉄の女の涙] ブログ村キーワード  "第84回アカデミー賞・主演女優賞受賞”「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(GAGA★)。英国史上初の女性宰相にして“鉄の女”と称された辣腕政治家の半生を、名女優メリル・ストリープが熱演しております。いやあ、なりきってますね、ホントに。    かつて英国初の女性宰相として、国際政治の表舞台に君臨したマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)。老いて一線を退き、静かで孤独な余生を送る彼女には認知症の気が見られ、今は亡き夫... [続きを読む]

受信: 2012/03/22 21:21

» 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 日英の大きなギャップ [映画のブログ]
 うまいオープニングだ。映画はあり得ないようなシチュエーションではじまり、観客をギョッとさせる。  なんと老いたマーガレット・サッチャーがスーパーのレジに並び、ミルクを買っているのだ。首相経験者...... [続きを読む]

受信: 2012/03/22 23:31

» マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 [映画とライトノベルな日常自販機]
★★★★闘いのトラウマと亡き夫の幻に翻弄される老女の物語”この物語の主人公は、首相時代のマーガレット・サッチャーではなく、政界から引退し年老いて認知症を患っているマーガレット・サッチャーだと自分は思っています。 冒頭のストアのシーンでは、単に牛乳を買うという極めて日常的な場面なのに、すでに時の人ではなくなってしまったことをうまく表しているように感じました。 また、若かりし彼女のもとにオクスフォード大学の合格通知が届いた時に、父親は大喜びでしたが、母親は洗い物の最中で手が濡れてるからと言... [続きを読む]

受信: 2012/03/27 08:37

» マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 [映画 K'z films 2]
Data 原題 THE IRON LADY 監督 フィリダ・ロイド 出演 メリル・ストリープ  ジム・ブロードベント  オリヴィア・コールマン  ロジャー・アラム  スーザン・ブラウン 公開 2012年 3月 [続きを読む]

受信: 2012/04/01 22:02

« スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D | トップページ | マリリン 7日間の恋 »