マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
人生の黄昏を迎えた人の内面とはどのようなものだろうか。
マーガレット・サッチャーの伝記を思わせる映画だけれども、この作品の中心となるのは、あくまでも『今』。人生の黄昏を迎えたサッチャーの『今』の想い、その内面の描写が映画のメインとなっている。
自由に動かなくなる身体。『お荷物』になること、気遣われることへのいらだち。
幸せだったこと。つらかったこと。誇らしかったこと。愛しかったこと。
良いものも、悪いものも。さまざまな思い出のかけらが、意識を浸食し、そして幻惑する。
今まではなんだったのか。今はなんなのか。何を求めてきたのか。何を得られたのか。
『J・エドガー』同様、伝記として観ると物足りないかもしれない。この映画での『伝記』は、マーガレットの意識に不規則に浮かび上がる単なる断片。映画を装飾するコラージュに過ぎないからだ。
でもそれでいいのだろう。この映画は、『過去』ではなく『今』を描いた映画なのだから。
そういう観点から観てみると、とてもよく描かれていた映画だと思います。
この映画の監督は、これが2作目の監督作。
1作目は『マンマ・ミーア!』。
まるでメリル・ストリープお抱え監督のようだけれども、彼女に抱えられるならば監督としては安泰ですよね。
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