はやぶさ 遙かなる帰還
当然の事ながら、Fox版『はやぶさ』と話は全く同じです。
ただしFox版と比べて説明的・お勉強的シーンがとても少ないため、もし『はやぶさ』の話を全く知らずにこの映画を観た場合、意味不明な部分も多いのではと感じました。あまり説明的描写が多いのも映画として考え物ですが、この映画の場合、もう少しあっても良かったのではと思えました。
ここまで二本の『はやぶさ』映画を観て思ったのは、「やっぱり『はやぶさ』の話は映画向きではないな」ということです。有人探査機とは違って、無人探査機の場合、失敗と成功の違いは突き詰めて考えると『お金と時間』だけなのです。もちろんそのどちらも大切なものですし、その大切さは映画の中でも繰り返し描かれています。それでも『人命』と比較すると、その『かけがえのなさ』には大きな隔たりがあるのは明らかです。
もちろん一生懸命努力する人々の姿が感動を与えるというのは間違いありません。ただ、説明的描写を省いたことから、プロジェクトの意義をしっかりと観客に伝えられなかった東映版は、この点でFox版に負けていたかもしれません。渡辺謙と山崎努は素晴らしいのですが、それは映画の出来とは別の話ですしね。
それでも、狭い研究室から一転、広大なオーストラリアの大地に舞台が移るエンディング。夜空で砕け散っていく『はやぶさ』の姿は、どちらの映画でも圧巻のシーンなのですよね…。
人工衛星が大気との摩擦で燃えているだけなのですが、それに観る人々の『感傷』が作用すると、それはなんとも美しく、感動的な映像となるのです。
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