永遠の僕たち
一人だけ生き残ってしまった、自分の運命を呪う少年。若くして、この世を去りつつある少女。そして神風特攻隊員。
そんな奇妙な三者が織りなす物語は、ヒューマン・ドラマやラヴ・ロマンスとして観ると奇妙すぎるかもしれない。
ここで描かれる少年と少女の言動は、大人たちの感情移入を拒否するものだ。斜に構えて、安易な同情を拒絶する。思わず涙するような感動的なシーンが、ただの二人の『お芝居』だったりする。みんなああだったはずなのに、大人になるとすっかり忘れて、そんな態度が不愉快になるかもしれない。
だから映画としてみると、この映画の流れはあまりスムースではない。それは気持ちよく『乗せて』もらえないからだろう。それがこの映画の特徴であり、欠点でもある。
そしてそんなこの映画にとっての貴重な潤滑油が、加瀬亮演じる特攻隊員なのだ。
三者三様。それぞれが見つめるもの。
どれも正解ではないし、どれもが正解だ。
人の数だけ、それは異なる姿を見せるのかもしれない。
6/100
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