RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
Stranger In Us All
映画や小説は、様々な世界を見せてくれる。そして様々な人生を体験させてくれる。
それらを注意深くオープンに楽しむことで、自分の持っていない、自分とは異なる様々なものを理解したり、イメージしたりすることができる。
ただそれでも、どうしても『実感』や『共感』には限界がある。
例えばもし観客が男性だったら、女性の想いを理解はできても実感できないのは仕方のないことだろう。
だからこの映画を本当の意味で楽しめるのは、たぶん40歳を過ぎたくらいからではないだろうか。男と女の問題。親子の問題。仕事と自分。死と向き合うこと。アイデンティティーの実現と喪失。
描かれる物語は特別めずらしいものではなく、理解するだけなら中学生でも十分可能だろう。でもそこで描かれる問題は、簡単だからこそ、やっかいだ。ありきたりすぎて、器用にかわすことができない。
前作(とはいっても、ストーリー上はなんのつながりもありませんが…)と同じように、ありふれた人生の局面を、正攻法で高品質に映画化。主演も脇役も手堅く好演。映像もごく普通の日常がとても美しい。
同じような問題にはまりこんでいる人にも、間もなくはまりこみそうな人にも。そんなたくさんの一般の大人たちにとってとても共感できる、人生のやっかいさと素晴らしさを実感できる。そして、ゆっくりと周囲とつながっていく主人公に感動できる。そういう映画に仕上がっていると思います。
112/100
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