ミッション・インポッシブル／ゴースト・プロトコル (IMAX)

Tightrope Dancer

アクション映画は少なくなりました。かってのスターたちも歳をとりました。安定して大作アクションを供給し続けた、ジェームズ・ボンドも去りました。
だから、なんだか不思議な気分です。
本来はアクション俳優でもなんでもないはずのトム・クルーズ。甘いマスクで女性に大人気で、そしてちょっと線が細くて軟弱なトム・クルーズ。そんな彼が初めて製作を手がけたのが、ミッション・インポッシブルの一作目。今から１５年ほど前の事です。

それから平均すると５年に一本くらい。間隔は空いているものの、彼はコンスタントにこのシリーズを製作してきました。ここまでシリーズが大きくなったのは、まぎれもなく一般的な（アクション俳優でない）大スターであるトム・クルーズが、自ら熱意をもって企画してきたからであることは間違いないでしょう。トム・クルーズの集客力とアクション映画としての手堅さ。まさかあのトム・クルーズが、ここまで立派なアクション大作シリーズを育て上げるとは思いもよりませんでした。

本作は前作の重苦しさから一転、まさに『スパイ大作戦』の名に恥じない王道のスパイ・アクションです。エキゾチックでゴージャス。スパイ同士のスリリングなだましあい。過激なアクションとユーモアのバランス。文句のつけようがありません。
一匹狼のジェームズ・ボンドとは違った、チームを信じてチームで戦うイーサン・ハントの魅力は、トム・クルーズならではのものでしょう。

なんだかお礼が言いたい気分です。トム・クルーズに。
アクション映画を守ってくれてありがとう。

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