マネーボール
Street Of Dreams
選手の今までの功績を報酬という形で評価し、そしてなるべく予算をかけて報酬の高い名選手を集め、その力で試合に勝つ。これが今までのメジャーリーグの方法論。
選手の今を数値化して統計的データとして処理し、そして費用対効果の高い選手を集め、限られた予算の中で試合に勝つ確率を高める。これがビリーのとった方法論。
ビリーの理論はチーム間の貧富の格差を埋め、リーグの魅力を高め、ファンを喜ばせるかもしれない。プロスポーツの永続のためには、必要な理論なのは間違いない。
でも選手は決して単なる『出塁率』ではなく、ファンはそのキャラクターを愛し、その愛を通して試合を楽しむ。それも間違いのないこと。
ビリーだって同じ事。どんなに統計を信奉していても、ジンクスという迷信からは、最後まで逃れることはできない。人は、数字だけでは生きられない。
でも結局のところ、どちらの方法論が優れているのかということは、どうでもいいことなのかもしれない。この映画のいいたいことも、きっとそこではない。
どんな予測も、どんな確率も。どんな経験も、どんなデータも。
その全てを超える出来事が、誰の予想をも超えてしまう出来事が、野球には起こってしまう。
そしてその超えてしまう部分こそが、ドラマであり、伝説であり、夢なのだ。
アメリカの人々の、そんな夢を大切にする気持ち。野球を愛する気持ち。
それがとてもとてもよく伝わってくる優れた作品です。
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